2010年05月06日

クロマグロ騒動…元凶は日本人の異常な食欲(産経新聞)

 【現場発 ニュースを見に行く】“絶滅の恐れ”が指摘され、国際取引禁止の議論のまな板に載せられた大西洋・地中海産クロマグロ。3月にドーハで開催されたワシントン条約締約国会議で、禁輸案の採択は免れたものの、日本人になじみの深い食材が、パンダやジュゴンなどと同列に論じられたことへの衝撃は大きい。クロマグロはここ10年で畜養技術が大幅に発達し、回転すしなどで手軽に食べられるようになった一方、価格崩壊で乱獲が増えているのも事実。世界中を巻き込んだクロマグロ騒動、日本有数の遠洋マグロ基地を誇る神奈川県三浦市・三崎港を歩き、今後の展望を探った。(今泉有美子)

 ■うずたかく積まれた真っ白なマグロたち

 三浦半島の先端に位置する日本有数の遠洋漁業基地・三崎港。世界中の遠洋漁船が出入りする漁港で、なかでも花形はクロマグロだ。

 大きくて新鮮なマグロが船から運び出される様子を想像したが、実際は少し違う。マグロは捕獲された時点でエラや内臓などを取り除かれ、洗われ、漁船内の冷凍施設に入れられるため、港に揚がるマグロはカチンコチンに凍った真っ白い姿をしている。

 三崎港から徒歩5分、冷凍マグロの卸業「西松」の巨大な冷凍倉庫にお邪魔した。常に氷点下60度に保たれた倉庫には、クロマグロのほか、インドマグロやメバチマグロなど、さまざまな種類のマグロが保管されている。専務の相原宏介さん(37)の案内で、厚手のジャンパーを羽織って倉庫の中に入った。

 高さ5メートルほどの銀色の分厚い扉を2枚くぐり抜けると、そこがマグロ倉庫だ。入って10秒もすると鼻の穴の中が凍り、息が苦しい。「世界中のマグロがおいしく食べられるようになったのは、この技術が発達したからです」。相原さんは、倉庫内に積み上げられたコンテナ内のマグロを指して話す。

 相原さんによれば、家庭用の氷点下18度前後の冷凍庫では、油分などが完全に凍らないため、生鮮食品は劣化が進んでしまう。一方、氷点下50度以下なら、食塩水も油分も完全に凍るため、捕獲直後の鮮度をいつまでも保つことができるという。

 こうした冷凍技術の進歩に加え、ここ10年は大型のいけすでクロマグロを畜養する技術が地中海を中心に発展。結果として、“高根の花”だったクロマグロが、庶民にも手が届く身近な食材へと変化した。

 しかし、こうした価値の変貌(へんぼう)がクロマグロの乱獲を招き、さらに価格崩壊を呼ぶという悪循環に陥っているのも事実だ。相原さんは、「スーパーや回転すしチェーンなどが、トロをあり得ない安値でたたき売りしたばかりに、海の上ではものすごい価格崩壊が起きた。その結果、消費者の感覚がおかしくなり、高級魚のブランド力はなくなってしまった」と悔しさをにじませる。相原さんは、さまざまな方法でブランドの回復に努めているが、一度安くしてしまうと元に戻すのは容易ではないという。

 大幅な価格崩壊が起きたのは、ここ十年の出来事だ。その背景には何があったのか。専門家に聞いた。

 ■「このままでは食べられなくなる」 専門家が警鐘を鳴らす

 環境変化がマグロに与える影響などを研究する東京大学新領域創成科学研究科・大気海洋研究所の木村伸吾教授は、「いまのペースで食べ続ければ、クロマグロが食べられなくなる日はそう遠くないでしょう」と断言する。

 マグロ類はここ10〜20年、アジアを中心に世界中で人気が高まっており、50年前までは40〜50万トンだった需要が、現在は200万トン以上。その約3分の1、60万トンを日本人が食べている状態だ。

 中でも日本国内でのクロマグロの人気は高く、平成2年に約7千トンだった輸入量は、7年には1万トン、15年には2万トンを超えた。16年現在、世界で消費されるクロマグロの約9割を占める4万5千トンを日本が消費している。

 そして、“トロ信者”の日本人の期待に応えるかのように登場したのが、港などの巨大ないけすで養殖する“畜養”だ。成魚を捕獲して畜養することで、運動量が減ってトロの部分が増える。地中海などで盛んに行われている方法で、畜養と聞こえは良いが、マグロ資源を大幅に減らした原因の一つと見てよいという。

 木村教授によれば、畜養には2つの方法があり、一つは生まれて2〜3カ月の「ヨコワ」と呼ばれる稚魚を捕獲して育てる方法。もう一つは、巻き網でそこそこ育った成魚を根こそぎ捕獲し、数カ月畜養して出荷する方法だ。

 木村教授が特に危機感を抱くのは、巻き網で成魚を捕獲する方法だ。魚を根こそぎ捕ってしまうため、クロマグロの資源量は大幅に減る。加えて、これまでは高根の花だったトロが格安で出回るため、さらに価格崩壊を起こしてしまう、という悪循環が起きてしまっているのだ。

 日本近海のクロマグロは、巻き網で捕らないなどの暗黙のルールが守られてきたが、最近は日本海でクロマグロの巻き網漁を行い、畜養する業者が出現。木村教授は、「これを続ければ、日本近海のクロマグロが大西洋・地中海産クロマグロ同様に国際会議の議題に上がる日も近い」と警鐘を鳴らす。

 そこで期待されるのが、クロマグロを卵から育てる完全養殖。国内でも成功例はあるが、「とても効率が悪く、実用は現実的ではありません」と木村教授。

 クロマグロは運動量が多いために餌も大量に必要で、大きくなるまでのコストがマダイなどに比べてとても高くつく。その上、少しの光や音などでも驚いてしまい、壁に激突して死んでしまう事故もよく起きるという。完全養殖で大きくおいしく育てるのは難しく、やはり現在は天然資源に頼るしかないようだ。

 ■昔はラーメンよりも高かったクロマグロ 乱獲の背景に価格の崩壊…

 木村教授が研究対象にクロマグロを選んだのは、「おいしい魚をいつまでも食べたい」との思いがあったからという。その木村教授が疑問を抱くのは、回転すしチェーンなどのクロマグロの値段だ。

 「極上本マグロにぎり! 大トロ一貫198円 赤身一貫64円」−。これは、あるすしチェーンのチラシに載っている宣伝だ。本マグロはクロマグロのことを指しているが、この値段なら、おなかいっぱいに食べても1〜2千円でおつりが来そうだ。

 約30年前までは、マグロはラーメンやタクシーよりも高く、“晴れの日”に奮発して食べる食品だった。ところが、いまや回転すしで格安で出回り、さんざん客の前を回転した後に売れ残れば捨てられてしまう。いまのように、投げ売りで食べられるものではなかったのだ。

 木村教授は、「資源量の枯渇の一番の責任は、消費者である日本人にあるのは明白です。地中海の乱獲をあおったのも、日本人の異常な食欲です。今回の騒動を機に、もう一度クロマグロの食べ方を日本人一人ひとりが考え直すべきでしょう」と話す。

 木村教授が提案するのは、クロマグロのトロばかりを食べるのではなく、ほかの魚にも挑戦することだ。最近は、資源量が減ってきているマグロ類に比べ、カツオやイワシ、サンマなどが比較的好調だという。「マグロは日本の食文化ではありません。日本の食文化は、さまざまな旬の魚をおいしく調理して食べること。今年はカツオがおいしいですよ。ぜひ思いだしてほしい」と訴える。

 四方を海に囲まれた日本。その恩恵に昔からあやかってきた国だからこそ、持続可能な漁業の手本をいまこそ世界に示すべきだ。

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2010年04月20日

仙谷氏への批判、閣僚から相次ぐ=衆参同日選発言(時事通信)

 仙谷由人国家戦略担当相が夏の衆参同日選の可能性に言及したことについて、20日午前の閣議後の記者会見で各閣僚から批判が相次いだ。
 枝野幸男行政刷新担当相は「(鳩山由紀夫首相退陣という)仮定が成就しないように今、一生懸命にやるのが閣僚としての立場。仮定が成り立った以降のことを考えたり、話したりしない方がいい」と指摘。前原誠司国土交通相も「首相から任命された閣僚が軽々に、そういった発言をするのはいかがなものか」と疑問を呈した。
 中井洽国家公安委員長は「与党慣れしていない。閣僚が首相の進退とか(衆院)解散に触れることは全くタブーだということが染み込んでいない」と断じ、赤松広隆農林水産相は「選挙を知らない人が言うことだ。ダブル選挙の可能性は1%もない」と語った。
 福島瑞穂消費者・少子化担当相(社民党党首)は「内閣の求心力をきちんと高めて、国民から負託された政治を全力でやるべきだ」と、閣僚の結束を訴えた。 

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2010年04月14日

<事業仕分け>第2弾候補は127事業、国費投入2.3兆円(毎日新聞)

 政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は8日、「事業仕分け第2弾」の対象候補を、104ある独立行政法人のうち54法人が実施している計127事業に絞り込んだ。127事業への08年度の国費投入額は、判明分だけでも2兆3642億円超に上る。枝野幸男行政刷新担当相や国会議員の「仕分け人」がさらに精査し、20日にも開く刷新会議で対象を正式決定する予定。

 第2弾は23日から4日間の予定で行う。独法へのヒアリングは3月上旬に始まり、483事業について聴取。4月6日から最終ヒアリングを始め、選定作業を進めている。

 法人数は文部科学省が最多で16法人。国費投入額では国土交通省が最多で1兆2627億円だった。単一法人で最も国費投入額が多いのは住宅金融支援機構で、3事業約8956億円。民間金融機関との重複の可能性があるとして候補になった。都市再生機構は賃貸住宅など2事業(約1315億円)も候補になった。

 仕分け作業では、事業の必要性や、国が直接実施したり民間委託したりする場合とのコスト比較などの観点で「廃止」「予算縮減」などの判定を実施する。ただ、2・3兆円の中には必要と見られるものも多く、歳出削減効果は「数百億円程度」(財務省関係者)と見られる。

 枝野氏は歳出削減とともに、現行の独法制度の抜本改革を通じた天下り根絶などで政府組織をスリムにすることを重視。8日の衆院本会議では「個々の事業そのものを細かく具体的に検証した上で、夏ぐらいに抜本改革の方針を出し、13年までに改革を実現したい」と語った。【影山哲也】

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